新型コロナウイルスのパンデミックが前例のない世界需要の低迷を引き起こし続ける中、木曜日には前月のブレント原油先物とその後の契約の割引率が11年ぶりの高水準に上昇した。
5─11月限のスプレッドは1004GMT時点で1バレル当たりマイナス10.31ドルまで拡大しており、2009年1月以来の水準となった。
いわゆるコンタンゴ市場の構造は、トレーダーが将来の原油価格が上昇すると予想していることを示唆しており、今回の場合はウイルスのパンデミックが終息したと期待されており、原油を陸上または場合によっては海上に保管することになる。
12カ月のブレント・コンタンゴ・スプレッドはマイナス12.61ドルで、これも2009年1月以来の水準だった。
「ブレント構造に対する現在の貯蔵経済学では、浮体式貯蔵と陸上貯蔵が十分に可能になっている…スーパーコンタンゴが戻ってきた」とOilXのアナリストはメモで述べた。
米国ウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油の場合、5月から6月の価格のコンタンゴは1バレル当たりマイナス2.96ドルとなり、2011年2月以来の大きさとなった。
5月から11月までの6カ月物WTIコンタンゴのスプレッドはマイナス8.95ドルで2015年3月以来の大きさ、12カ月物コンタンゴのスプレッドはマイナス11.02ドルで2016年2月以来の大きさとなった。
カナダやカリブ海からバルト海やシンガポールに至るまで、石油会社や貿易業者が不要な原油や精製製品を保管するために先を争う中、リースコストが50%から100%上昇しているにもかかわらず、石油タンクは急速に満杯になっている。
新型コロナウイルスの感染拡大が緩和し、需要が回復した際に、より高値で製品を販売することを期待して貿易業者がタンクの確保を急ぐ中、欧州と米国の一部の陸上ハブでは今月、燃料保管料金が2倍になった。
(Bozorgmehr Sharafedin によるレポート、Mark Potter による編集)